第3回(2025年度)助成事業

 

応募事業数 28事業

助成決定数 11事業

助成金総額 1,791,967円

 

 

(1)障害種別をこえた若手障害者の育成と自立支援

 

○沖縄県自立生活センター・イルカ

事業名:若手障害者のリーダー育成 ピアの語りを通して育むエンパワメント

助成金額:100,000円

 

○こころのおまもり

事業名:生き辛い人がセルフアドボカシーで自分を大切にすることを学ぶ会

助成金額:100,000円

 

 


・沖縄県自立生活センター・イルカ

 

〈団体について〉

ピアカウンセリング、相談支援事業、自立生活プログラム、海外の障害当事者支援、各種助成金事業(合理的配慮に関する講演会の主催)などを行っています。

 

〈行った事業〉

2026211日、若手障害者を対象とした交流型トークイベント「恋も暮らしもゆるトーク」を実施しました。

精神障害や脳性麻痺など、様々な障害がある10名が参加し、若い世代同士が安心して話せる雰囲気づくりを意識しながら進行しました。

 

事業による成果は…

参加者同士が共通の課題を共有し、実際の体験談や工夫を聞く機会になったことで、将来に対するイメージを持つきっかけになった。今回の交流をきっかけに、参加者同士のつながりが生まれた。

 

今後の意気込み!

「同じ世代の仲間ともっと話したい」「自立生活について具体的に知りたい」

 

「イベントの企画に携わりたい、進行をしてみたい」などの声が上がったことから、継続的に開催し、若手障害者がリーダーとして成長できる機会づくりを目指していきたい。


・こころのおまもり

 

〈団体について〉

誰もが安心して過ごせる安全な場をつくり、一人ひとりの存在を尊重することを大切にしています。それぞれのリカバリーを歩むために学び合う場の活動、さまざまな困りごとをテーマにしたグループワークを、それぞれ月に1回継続しています。

 

〈行った事業〉

〈わたしの声をちゃんと届けたい~自分の権利や希望を伝えるためのワークショップ〉を、20258月から20263月にかけて計7回、実際の社会の中でセルフアドボカシーを実践するスキルを身につけることを目指し、開催しました。

 

事業による成果は…

「社会の中で自分を大切にできるようになる」というゴールを、ワークショップでの対話を重ねながら達成し、参加者から好意的な感想を得られた。

 

今後の意気込み!

 

運営体制に課題が残っているので、サービスを安定的に提供し続けるために資金基盤を確立すること。


 

 

(2)インクルーシブ教育の普及・促進

 

○mogmog engine

事業名:お外でも、みんなと一緒に同じものを『食べる』を叶えたい!

助成金額:235,000円

 

○リズムの会

事業名:「鶴見で一緒に考えよう!『ともに学ぶ』教室のこと」

助成金額:182,000円

 

○ほしぞら☆みんなで☆プロジェクト

事業名:第二回「ねりまみんなでプラネタリウム」の開催

助成金額:217,000円

 

○愛知県重度障害者団体連絡協議会

事業名:日本のインクルーシブ教育~ともに学ぶ教育の実践~

助成金額:150,000円

 

○膠原病・リウマチ・血管炎サポートネットワーク

事業名:先生と友達に伝えたい~小児膠原病を理解するための動画配信

助成金額:180,000円

 

○「障害」児・者の生活と進路を考える会

事業名:第13回子育て・教育講演会

助成金額:123,520円

 

○橋口侑果

事業名:共生を理念として就学前に保育教育を行う施設への訪問調査事業

助成金額:150,000円

 


mogmog engine

 

〈団体について〉

摂食嚥下障害のある子どもとその家族を支える活動として、当事者が集まるオンライン上の仮想スナック「スナック都ろ美」を運営し、日々の工夫や情報を共有できる場を提供しています。

 

〈行った事業〉

「お外でも、みんなと一緒に『食べる』をかなえたい!」と、20254月から12月にかけて行われた全国各地のイベントで、「もぐもぐスタンド」を設置。ほか、子ども食堂への参加や外食産業向けに必要性を伝える会などを実施しました。

 

事業による成果は…

全国各地で行われたイベントでスタンドを設置し、ミキサーなどの荷物が減るという負担軽減だけでなく、外出の後押しや一緒に食べられる喜びなど、心の面で大きな喜びがあったというメッセージをたくさんいただいたこと。

 

今後の意気込み!

 

社会的にまだ嚥下障害の認知度が低く、ネガティブな印象があること。思いのある人やお店へのアプローチと実績を積み重ねながら、嚥下障害の有無にかかわらず、お出かけして一緒に同じ時間を楽しめる空間づくりを目指していくこと。


リズムの会

 

〈団体について〉

障害がある子どもたちの余暇活動を楽しむサークルとして2013年にスタートし、地域交流を深めてきた経験を土台に、「ともに学ぶ」ことをテーマとした学習会を開催しています。

誰もが「ここにいていい」と思える社会を目指して。

 

〈行った事業〉

『鶴見で一緒に学んじゃおう!「ともに学ぶ」教室のこと』学習会を2回開催しました。2回の学習会を通して生まれた違和感について、参加者が主体となり語り合う場を設けようと、番外編として対話の場を1回開催しました。

 

 

事業による成果は…

ゲストや参加者に助けられながら、しっかりと実績が積み上げられています。番外編は初めての試みでしたが、参加者の皆さんが熱心に語り合ってくださり、今後も定期的に開催したい企画になりました。

 

今後の意気込み!

インクルーシブ教育が人権であるという視点を、より多くの人に知ってもらうためのきっかけづくりの継続、より深く関わる人を育てていく活動にも力をいれたい。

 

また、地域の中で何かを実践したいと考えている人たちとのつながりを広げ、学びが実践へとつながる循環をつくっていくことを目指す。


ほしぞら☆みんなで☆プロジェクト

 

〈団体について〉

自分たちが暮らす街を、誰一人おいていかない街にすることを目指して、誰もが参加できるプラネタリウムイベントを開催しています。

 

〈行った事業〉

練馬駅直結のホールに移動式エアドームを用いて、プラネタリウムイベントを開催しました。当日は0歳から80代まで、幅広い世代の方々が訪れ、障害当事者や子どもたちが主体となって運営に関わりました。

 

 

事業による成果は…

訪れたすべての方に「ようこそ」を伝え得られたこと。

「すべての人」を対象にし、イベント周知を第1回と比べて大幅に拡大できたこと。

同じ街でともに生きるたくさんの人たちが集える場がつくれたこと。

海老原宏美さん、星つむぎの村のこと、障害当事者の世界を知っていただけたこと。

 

今後の意気込み!

次回に向けて、家族だけでない45人のコアメンバーを構成したので、

地域の手話サークルともっとつながり、より物理的・心理的なバリアを取り除いたイベントにすること。

社協や行政、学校の先生など、この街をつくる様々な立場の人に参加するイベントをどう作れるか

 

を模索していきたいです。


愛知県重度障害者団体連絡協議会

 

〈団体について〉

教育部会では、10年以上にわたり、愛知県教育委員会に対して高校におけるインクルーシブ教育の実現を要望しています。

インクルーシブ教育を広げるためにオンライン講演会を毎年一度開催、年1回は愛知県教育委員会に対して要望書を提出し、懇談する機会を作っています。

 

〈行った事業〉

202512月、「インクルーシブ教育がひらく未来~南桜塚小学校の実践から~」というタイトルで、講演会を開催しました。

 

事業による成果は…

海外の事例ではなく、日本における実践をテーマにしたことで、すべての子どもたちが特別な存在であり、一人ひとりに他わせた学校環境をつくることが大切であることを参加者と共有できたこと。

 

今後の意気込み!

講演会後近い時期に教育委員会との懇談の機会をつくる、メディアの利用などといった面で課題が残ったため、次回以降活かしていきたい。

 

また、参加者から、学校でインクルーシブ教育に関する交流の場を前向きに検討していきたいという声があったっため、次の新たな活動につなげていきたい。


膠原病・リウマチ・血管炎サポートネットワーク

 

〈団体について〉

希少疾患である小児膠原病の子どもたちが、病院の外で安心して過ごせるように、社会全体で支えるプログラムや仕組みづくりに力を注いでいます。

 

〈行った事業〉

小児膠原病への理解を広げるために、疾患別にわかりやすい動画を3本作成しました。

 

事業による成果は…

小児膠原病患者について理解を深め、学校生活や一緒に遊ぶ時の注意点に焦点を当てた、当事者団体による動画の作成は前例がなく、子ども自身が理解を深めるために大変有効な媒体が動画だと思う。配信した動画はSNSで多くの「いいね」をいただいている。

 

今後の意気込み!

 

関心を長く寄せていただくために、作成した動画を順次配信し、動画を通してたくさんの方に認知・理解してもらうこと。


「障害」児・者の生活と進路を考える会

 

〈団体について〉

豊中が長年取り組んできた「ともに学び、ともに育ち、ともに生きる」保育や教育が後退することがないように、子ど伊達・教育講演会を10年以上継続しています。

また、毎月一回、「考える会」例会や、年2回「みんなでしゃべろう、繋がろう!集会」を開催しています。

 

〈行った事業〉

2025118日、豊中にて〈第13回子育て・教育講演会〉を開催。ともに学ぶ実践をされてこられた学校の元校長の講演後、パネルディスカッションを行いました。事務局員を除いて98人が参加しました。

 

事業による成果は…

「障害」当事者、親・市民、学校・こども園の教職員それぞれの立場の方が参加し、豊中の「ともに学び ともに育つ」教育について議論し、考え合えたこと。

「ともに学び ともに育つ」教育・保育の意義や大事さを確認し、「ともに」の視点からこれまでを問い直し、今後を考える契機になったこと。

 

今後の意気込み!

 

特別支援学校や支援学級の在籍数が急増している中、こうした状況に至っている背景や対応についての議論が十分できませんでした。これからも「ともに学び ともに育つ」教育を継続、充実するためにも、親や市民の皆さんに大事さを訴え、一緒に考えていくことに注力していきたいです。


橋口侑果

 

〈ふだん行っていること〉

大学院で、障害学と子どもアドボカシーに関する学問を基礎としながら、インクルーシブ保育・教育の研究を行っている。学業の傍ら、講演会や研究会、講座等で自身の教育体験についてお話させていただく機会や執筆させていただく機会がある。

 

〈行った事業〉

「共生を理念として就学前に保育教育を行う施設への訪問調査事業」として、保育士へのインタビュー調査を行い、日本の就学先決定までの一連の流れにおいての課題と「分けられない権利」を保障するための支援の形を提示しました。これを修士論文にまとめて製本し、配布できるようにしました。

 

事業による成果は…

「分けられない権利」を保障する就学支援の特徴と支援の可能性を具体的に提示できたこと。

そこから、「権利啓発」に焦点を当て、市民に向けた啓発団体を熊本県内の大学生とともに立ち上げることができたこと。

※立ち上げた団体:ほっぺプラス(@hoppe.plus) • Instagram写真と動画

 

今後の意気込み!

 

社会全体においてインクルーシブ教育を受ける権利が乏しく、子どもと保護者への働きかけが大切である。これらの問題と向き合うため、子どもや障害当事者の声を重視した研究を行う必要がある。


 

(3)“自分らしさ”に伴走する介助者の育成

 

○川崎つながろ会

事業名:神経難病患者の外出支援における学生ボランティアの育成事業

助成金額:200,000円

 

○登り口倫子

事業名:「介助ユーザーのためのライフノート」制作とワークショップ

助成金額:154,447円

 


川崎つながろ会

 

〈団体について〉

川崎市の神経難病コミュニティ。口コミで医療職や介護職も参加してくれるようになり、ほぼ毎月定例会を開催しています。

2019年に福祉バス助成事業を利用して外出をした経験を機に、定例会やイベントに参加する当事者や家族に交通費やヘルパーの自費負担分を助成する事業を開始しました。

 

〈行った事業〉

518日、615日の定例会開催時に、学生ボランティアによる患者の外出同行支援

・映画「杳かなる」の上映会を913日にステーションコンファレンス川崎にて、1016日に川崎市立看護大学にて開催。

119日のバスハイク、315日の講演会実施時に参加した学生ボランティアへの謝礼

 

事業による成果は…

・上映会には多くの参加者があったほか、学生ヘルパー・ボランティア同士の横のつながりもできた。

・定例会やバスハイクの同行支援には新入生が参加し、今後も支えになってくれることが期待されること。

・講演会は当事者目線で開催し、思いが学生たちに届いたと思うこと。

 

今後の意気込み!

学校での上映会を行う時期や告知方法を考えること。

 

学生ボランティアを一つの看護大学に限らず、他の大学にも広げていくこと。


登り口倫子

 

〈普段の活動〉

当事者活動としては、介助ユーザー視点でブログを書き、『ウンチを出して「車いす」を脱ぐ』を400冊近く自費出版しました。

また、ポッドキャストでは、「ちょいといっぷくラジオ」(一般社団法人わをん)、「ヘルパーユーザー・みちことひろこの部屋」で介助を利用して生活する人の本音を発信しています。

 普段、日本語教師としてオンラインで日本語を教えており、言語や表現を積み重ねることのサポートをしています。すべての活動に一貫して、自己表現や他者とのコミュニケーションの模索というテーマで活動しています。

 

〈行った事業〉

「介助ユーザーのためのライフノート」の制作とワークショップ、報告会イベントを開催しました。

 

事業による成果は…

介助ライフノートのモニター協力者からの声を通して、必要なツールであることを再確認できた。さらに改良した冊子の必要性も生じ、報告会でも感謝の声をもらえたことで、「短い期間で終わらせてはいけない」ということを認識できた。

 

今後の意気込み!

 

今後も継続していくうえで、もっと現場の声を聞いて課題を表面化し、事業所への啓発につなげられるよう、交流会を定期的に開くことから始め、ともに取り組む人脈づくりも行っていきたい。